江戸時代の浮世草子作家、井原西鶴が綴った一節が、今でも関西を中心に使われている。女性が好む代表的なものという意味の「芋蛸南京(いもたこなんきん)」。別段、難しい言葉でもなければ、深い意味のある言葉でもない。何気なく使ったことのある方も、耳にしたことがある方もいらっしゃることだろう。
当時、井原西鶴は「芝居浄瑠璃 芋蛸南京」と詠んでいる。
町人文化が成熟期に入り、大坂の町が活気に満ちていたころのこと。西鶴は、『好色一代男』『好色五代女』などの作品を残し、色欲、金欲に翻弄される人々の姿を、“それが人間というものだ”とあるがままに捉えた作家である。
世俗に精通し、男の欲、女の欲を知りつくした西鶴だからこそ、現代でも通用する言葉を残せたのであろう。
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現代女性にも好まれる、芋・南京、そして栗。
今さら言うまでもないが、女性は今の時代でも芋(さつまいも)や南京(かぼちゃ)のような甘いものを好む傾向が強い。砂糖のような単純な甘さだけでなく、ホクホクとした食感、口の中で糖分に変わる…という過程まで、芋と南京はまさしく女性好みである。あえて加えるなら、栗も仲間だろう。
ところで余談になるが、芋・南京・栗などを調理するにはコツがある。これらの甘みはデンプンが分解したもの。そのデンプンの分解を助ける酵素をしっかりと働かせられるよう、50〜60度で時間をかけて焼いたり蒸したり茹でたりすること。高温で一気に加熱してしまうと、甘みが充分に引き出されない。
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