群れをなして多数の鳥が居ることから、千鳥と呼ばれ始めた。また、千鳥は俳句では冬の季語で、凍てつく冬の寒さの浜辺を謳う俳句によく使用されている。ではいつの頃から、酔っ払いのおぼつかない足取りのことを千鳥足と呼ぶようになったのだろう。愛らしい千鳥がゆえ、なぜ酔っ払いの歩き方を称するようになってしまったのか、少々疑問が浮かんでくる。
走っては止まり、また時にはジグザグに歩いたり…。確かに多少は怪しげな歩き方をする。しかし最もそれらしき動作は、ある種の千鳥が餌を獲るときのこと。よそ見をしてみたり、突然違う方向へと歩み寄るなど、フェイントをかけつつ餌を狙うことがある。
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千鳥の千鳥足は、生きるための手段。
他にも、外敵から巣や雛を守るために、親鳥が羽をばたつかせたり乱したりして、傷ついたフリをする「偽傷行動」も有名。変に羽を広げて、まるでケガでもしたかのようによろよろ歩き、また歩く。そうやって、外敵の視線をこちらに向け、巣や雛から十分に離れたところで一気に逃げる。どちらの行為も、小さな鳥が身体をはって生きていくための、知恵の結晶。愛らしく歩いているように見えて、実はハリウッド女優も顔負けの演技派なのだ。
酔っ払いがその名を借りるのは、少々失礼な気さえしてくる。
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