往々にして、人は見知らぬ人を嫌ったり怖がったりする。逆にわずかなつながりであっても、誰々さんの知り合い、何々さんの遠い親戚などと言っただけで安心してしまうのが不思議なところ。特にどちらかというと内向的な日本ではその傾向が強いのではないだろうか。どんな人かも知りさえせず、「海のものとも山のものとも付かないヤツに…」などと、概して批判的である。
海や山からの多大な恩恵を受ける日本のこと。今では人物に対してや事象に対して言うことのほうが多いが、本来、この言葉は「正体の分からないものを口にするのは危険」という意味で食べ物に対して使われていたと考えられる。
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知れば知るほど安心できる。
「海のもの、山のもの」と区分する言葉を使っておきながら、現代人は正体を知らない食べ物を平気で口にするようになった。海・山どころか、素材が自然のものであったとさえ信じがたい加工品も珍しくない。その反面、産地ばかりか生産者まで表示するなど、自然回帰の動きもある。極端なものだ。
ただ腹が空いただけのときは別として、大切な時間を共に過ごす食べ物・飲み物ぐらいは、どんなところで、どんな風に作られたのか知っておきたい。人物も同じ。「海のもの・山のもの」と口にする前に、その人を欠片でもいいから知ればいい。知り合いになってみれば、意外なほどに怖い人や嫌いな人は少なくなる。
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